五千回の生死/宮本輝

2006年5月 7日

06759531.jpg
好きな作家の趣向が似ている、と思っていた人が誉めていたので他の買い物のついでにAmazonにて購入してみました。
「泥の河」「優駿」などを書かれている宮本輝の短編集。

最初からなんなんですが、実は短編は苦手であまり読まないのです。
しかしこの方の話の出来上がり方(?)、そして読後に長くひきずるなんとも言えない重さは長編小説のそれを上回る感じがしました。
核心は語らず、べたべたと感情を書く事もせず、盛り上げるわけでもなく、冷静な状況描写(これがすごい。)を連ねてゆく。
読む側に情報を知らん顔してぽろぽろと落としてゆき、最大限に世界観を作らせておいて、それじゃつまりこういくんだろー、、、と思って期待して次頁をめくるとそこで終わっているわけです。すすすばらしーー


... continue

Posted by tos : 18:14

東京タワー/リリー・フランキー

2005年10月11日

tower.jpg
前半を読んでいるとき、苦手な「ふるさと懐古モノ」かと思い途中で嫌になっていたのですが、後半にはいってそういう話じゃないことが判明。

「感動させられる本」というのはたぶん、この本のうわべの特長。
感動するし、だらだらとみっともなく涙がでましたが…これはそういう話じゃなくて。

乗り越えるんじゃなくて、それとなんとか折り合って暮らしてゆくこと。
30代後半くらいからだんだんそういう事のほうが増えてくるような。

カバーの裏にある写真は東京タワーの中から眺めるトウキョウで、それは東京タワーのないトウキョウ。

読んでいる最中の直情的な感動よりも、この軽い「東京タワー」なんてタイトルがかえって際立たせる暗く大きな穴。
弱々しくでも確実にそこに向かって小さな決心を積み重ねていく自分。

また、大げさな。
意味わからんこと書いてます。私。ケラケラ

帰るべきふるさとがある、ない、にかかわらず、迷いながら進むまじめな大人にオススメしたい一冊でした。


Posted by tos : 18:16 | comment (8)

<< Previous     1 |  2 | All pages